南関東・甲信ブロック合同企画展2023 撮影:鈴木広一郎
神奈川県障がい者芸術文化活動支援センター
アートセンター集 撮影:鈴木広一郎
東京アートサポートセンターRights(ライツ) 撮影:たかはしじゅんいち
YAN 山梨アール・ブリュットネットワークセンター 写真:本杉郁雲
千葉アール・ブリュットセンター うみのもり
南関東・甲信ブロック合同企画展2023 撮影:鈴木広一郎
神奈川県障がい者芸術文化活動支援センター
アートセンター集 撮影:鈴木広一郎
東京アートサポートセンターRights(ライツ) 撮影:たかはしじゅんいち
YAN 山梨アール・ブリュットネットワークセンター 写真:本杉郁雲
千葉アール・ブリュットセンター うみのもり

その根底にあるのは、一人ひとりが主体的に生きていること、豊かに生きていること。楽しく暮らしていること。
障害のある人の芸術文化活動の支援とさらなる普及を目指し、
南関東・甲信ブロック内の支援センターと共働により広域での活動を展開します。
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【活動レポート】事例報告・ミニ座談会「埼玉県での官民連携について」

■開催概要
日時:2026年7月29日(水) 15:30~17:00
会場:工房集(埼玉県川口市木曽呂1445)
内容:第2回南関東・甲信ブロック会議にて、各都県の自治体の担当者より、
今年度注力する事業や課題などについて伺いました。
埼玉県からは官民連携について詳しく伺い、2つの支援センターとのミニ座談会も行いました。

■関連記事:
自治体担当者による事例報告会
https://skk-support.com/project/casereport2026/


事例報告「埼玉県での官民連携について」

登壇者:井上美穂(埼玉県 福祉部障害者福祉推進課  主任)

埼玉県では、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」に基づき、文化芸術振興計画と障害者支援計画の二つを柱として、障害者の文化芸術活動を推進しています。平成21年度から「埼玉県障害者アートフェスティバル」を開催しており、国の法律が施行される約10年前から継続して取り組んできたことが大きな特徴です。長年の活動を通して、多くの作家や福祉施設、関係団体とのつながりや経験を蓄積してきました。
平成28年度には「埼玉県障害者芸術文化活動支援センター」を設置し、県と支援センターが連携しながら、さまざまな事業を展開しています。主な取組として、障害者アート企画展や絵画展、公共施設等での作品の常設展示、オンライン美術館、バリアフリーコンサート、ダンス公演、各種ワークショップなどがあります。特に公共施設での展示では、美術系・福祉系の大学生が福祉施設を訪問して作家に話を聞き、作品の解説を作成するなど、作品だけでなく作家自身の魅力を伝える工夫も行っています。
また、令和3年には「障害者アートオンライン美術館」を開設し、作品や専門家による寄稿文、制作風景の動画などを広く発信しています。さらに、企業等に作品をリース・購入してもらい、オフィスや建築現場などで展示するなど、障害者アートの利活用にも力を入れています。県職員が企業との調整に直接関わることで、安心して取り組んでもらえるというメリットもあります。
こうした活動を支えているのが、県と障害者芸術文化活動支援センターとの継続的な連携です。月1回のミーティングなどを通して情報共有や企画の検討を行い、長年にわたって築いてきた信頼関係を生かして事業を進めています。障害者アートの活動を通じて、障害のある方の多様な表現や創造性を社会に発信するとともに、障害の有無にかかわらず、誰もが文化芸術を楽しみ、自分らしく表現できる環境づくりを目指しています。


県と支援センターとの連携体制について


自治体担当者と支援センターによるミニ座談会

登壇者:
井上美穂(埼玉県 福祉部障害者福祉推進課  主任)
石平裕一(ART(s)さいほく/埼玉県特色型支援センター)

聞き手:小嶋芳維(埼玉県障害者芸術文化活動支援センター アートセンター集/埼玉県基幹型支援センター)

小嶋:
埼玉県の支援センターができて11年目を迎え、ネットワークも大きく広がりました。初期の頃はどのような活動だったのでしょうか。

石平:
当時は参加団体も少なく、それぞれの団体が抱える悩みや課題について、じっくり話し合っていました。現在は規模が大きくなりましたが、活動の根っこにある思いは変わっていません。先輩から後輩へ経験や想いが受け継がれていると感じます。

小嶋:
埼玉県では福祉部が障害者アートを担当していますが、そのことによる特徴はありますか。

井上:
福祉部にあることで、福祉施設とのつながりが強いことは大きなメリットです。また、広報課や教育委員会など他部署とも連携し、庁内で事業を知ってもらうことも意識しています。アートを通して障害のある方と関わることで、福祉に対する職員の見方も変わっていくのではないかと感じます。そのため、庁内の横のつながりをつくることも意識しています。障害者アートフェスティバル実行委員会の委員に文化振興課や教育関係の職員に入ってもらったりしています。

小嶋:
どのような引継ぎを行われていますか?

井上:
引き継ぎの際には、これまでの事業や関係者について説明しますが、それだけではなく、実際に展覧会などの現場に足を運んでもらうことが大切だと思っています。担当を離れた後も展覧会を見に来たり、ハンドルズの公演を追いかけたりする元担当者もいます。それだけ、この分野には人を引きつける魅力があるのだと思います。

石平:
市町村の自治体担当者にも同じような変化があります。最初は「障害者アートの展示を担当することになりました」というところから始まるのですが、2~3年経つと、「施設に行ったらすごい作品があった」「これは誰の表現なんだろう」と、作品や作家に自然と興味を持つようになります。アートを入り口にして、障害のある方への見方そのものが変わっていくのだと思います。

小嶋:
最後に、今後の展開についても伺いたいと思います。特に、企業による作品の二次利用についてはいかがでしょうか。

井上:
二次利用については、令和元年度頃から本格的に取り組んできました。コロナ禍には一時的に動きが鈍りましたが、最近は企業側から声をかけていただくケースも増えています。作品の購入やリース、商品化など具体的な事例も生まれています。リース料金などについても、支援センターの関係者で話し合いながら、作家にとっても企業にとっても適切な形を探っています。今後も多くの方に作品を知ってもらい、さまざまな場面で障害者アートを活用してもらえたらと思っています。

小嶋:井上さん、石平さん、貴重なお話をありがとうございました。