南関東・甲信ブロック合同企画展2023 撮影:鈴木広一郎
神奈川県障がい者芸術文化活動支援センター
アートセンター集 撮影:鈴木広一郎
東京アートサポートセンターRights(ライツ) 撮影:たかはしじゅんいち
YAN 山梨アール・ブリュットネットワークセンター 写真:本杉郁雲
千葉アール・ブリュットセンター うみのもり
南関東・甲信ブロック合同企画展2023 撮影:鈴木広一郎
神奈川県障がい者芸術文化活動支援センター
アートセンター集 撮影:鈴木広一郎
東京アートサポートセンターRights(ライツ) 撮影:たかはしじゅんいち
YAN 山梨アール・ブリュットネットワークセンター 写真:本杉郁雲
千葉アール・ブリュットセンター うみのもり

その根底にあるのは、一人ひとりが主体的に生きていること、豊かに生きていること。楽しく暮らしていること。
障害のある人の芸術文化活動の支援とさらなる普及を目指し、
南関東・甲信ブロック内の支援センターと共働により広域での活動を展開します。
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研修「サポートブックを起点に、支援センターの目的や運営を考える」

開催日:2023年7月5日(水) 会場:オンライン 参加者:16名

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当日のスケジュール
14:00 前半:講師3名によるレクチャー
14:50 グループワーク
15:20 後半:講師1名によるレクチャー
15:30 グループワーク、オブザーバーからのコメント
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■概要

2022年度に発行された『障害者芸術文化活動支援センター運営サポートブック』(以下、サポートブック)は全国の支援センターの運営の参考や指針となる本として各地で活用されています。本研修では編集を担当した3名の講師を迎え、本書の1~2章の内容に沿ったレクチャーとグループワークをオンラインで行いました。前半では「障害者芸術文化活動普及支援事業の概要と支援センターの運営」、後半は「行政との協働」をテーマに実施。研修を通じて支援センターを運営する「目的」「活動内容」「行政との協働」などを改めて考える機会になったとともに、それぞれの地域や立場の視点を共有しました。

地域の特性に応じた支援センター運営のサポートとなる『障害者芸術文化活動支援センター運営サポートブック』。
支援センターの職員のほか、自治体の担当者にも役立つ内容(NPO法人ドネルモ発行、A4、70頁)


■講師

長津 結一郎(九州大学大学院芸術工学研究院准教授)
1985年北海道生まれ。多様な関係性が生まれる芸術の場に伴走/伴奏する研究者。専門はアーツ・マネジメント、文化政策。多様な背景を持つ人の表現活動に着目した研究を行うほか、音楽実技やワークショップに関する教育、演劇・ダンス分野のマネジメントやプロデュースにも関わる。近著に『アートマネジメントと社会包摂』(共編著、水曜社、2021年)、『舞台の上の障害者:境界から生まれる表現』(単著、九州大学出版会、2018年)ほか。


宮田 智史(NPO法人ドネルモ事務局長)
1984年福岡県生まれ。2012年にNPO法人ドネルモを設立。超高齢社会を見据え、一人ひとりの可能性が誰かと関わることでかたちになってゆく社会をつくることを目的に活動。さまざまな属性や境遇にある人同士がともに学び合う教育プログラム、ワークショップの設計・運営・評価を中心に、デザインやアートからまちづくり、社会教育、生涯学習まで幅広い分野の事業に取り組む。一般社団法人ぷらっとどっと理事、大野城市共働アドバイザーなど。


櫻井香那(NPO法人ドネルモ事務局長)
1987年生まれ。大学卒業後、メディアコンテンツデザインや、障害福祉施設職員としてアート活動のサポートに携わる。2014年、NPO法人ドネルモに入職。文化庁と九州大学による共同研究「文化芸術による社会包摂の在り方」に関する事業や、厚生労働省の令和3・4年度障害者総合福祉推進事業で、調査、冊子編集、執筆業務などを担当。


■研修内容
支援センターの運営や行政との協働を考えよう
長津結一郎+宮田智史+櫻井香那

サポートブックを活用したレクチャーの内容を紹介。各レクチャー後のグループワークでは本書のワークシートを活用。前半は今年度の目標や「力を入れていること」「見直したほうがいいこと」などを書き出し、4グループにわかれて話しました。後半では「より良い行政との協働に必要なことは何か」などについて各グループで意見を交わしました。

 

支援センターの役割とは?

障害のある人の芸術文化活動では、作品制作だけではなく、芸術文化に触れるプロセスを大切にした活動が行われています。本事業で、地域ごとに「中間支援」に取り組んでいるのが「障害者芸術文化活動支援センター」。では中間支援とは何か。これはNPOの活動支援を目的に人材や資金、情報などの資源提供者とNPOの間をつなぐ仲介機能を指「intermediary(インターミディアリー)」の訳語として、1990年代頃から使われるようになった言葉です。
支援センターの中間支援は、障害のある人と社会の変化やニーズを把握し、人材や情報、芸術文化活動に関わる機会を提供したり、多様な領域の関係者をつなげたりしながら、障害のある人がより活動しやすい環境をつくる役割を担っています。

 

支援センターと行政の協働

支援センターの運営にあたって、都道府県は実施主体でもあり、両者の連携は必要不可欠です。福祉と文化にまたがる分野であることから両方の関連部署と連携することが事業促進の鍵となります。支援センターへの聞き取り調査では、都道府県が、県内の市町村、障害福祉施設、文化施設、特別支援学校などへの周知やつなぎを行っている例や、事業の企画立案から評価まで、常に都道府県の担当部署と相談しながら進めている例がありました。

 

目的を達成するための運営サイクルと年間計画

こうした支援センターの役割や目的を達成するには、単年と複数年、両方の視点で運営サイクルを意識しましょう。「見通しを立てる」「実行・行動する」「振り返る」というサイクル(下図)を年間ごと、事業ごとに回していくことも重要です。支援センターの業務は幅広く、どこまでやったらよいか迷ったり、都道府県の担当部署とのすり合わせが必要だったりする場合があります。それぞれの目標や年間計画を考えるためのヒントと、実際の支援センターの実践例をもとにした事例をサポートブックで紹介しているので参考にしてください。例えば「事業終了後の振り返り」は、次に向けた改善点だけではなく、想定していなかった成果や新たな価値の発見にもつながる、とても重要な機会です。支援センターの職員だけでなく、事業の協力者や参加者も一緒に気軽に話せる場をつくってみてはいかがでしょうか。


運営サイクルの例。『障害者芸術文化活動支援センター運営サポートブック』より

 

(構成:彌田円賀)