南関東・甲信ブロック合同企画展「カウンターポイント―それぞれの寄り添うかたち―」の関連企画として各センターの活動をご紹介します。
地域との協働による障害のある人のアート活動支援
金澤一摩 × ART(s)さいほく
特別支援学校との連携
「ART(s)さいほく」の運営団体である社会福祉法人昴では相談支援事業を行っており、地域の特別支援学校とも連携して障害のある人の暮らしや仕事のサポートを行う。
特別支援学校高等部の教員から「すごい人形を作っている生徒がいる」という情報を得て、作品調査のため学校を訪問し本人と教員に会う。教室に集められた作品から話を伺ったところ、自宅と学校で人形を作っており、学校ではコマ撮りアニメも制作していた。
その時に本人から「いつか自分の作った人形で人形劇をやることが夢なんです」という言葉が出た。
コマ撮りアニメのストーリーボード
展覧会出展にむけて
「ART(s)さいほく」主催による展覧会の出展を依頼し、「アートセッションin本庄」(2019年)に多数の人形を展示した。展示に向けて自宅も訪問し、本人や家族と打ち合わせを重ね、作品の変遷や今後の夢、家族からは制作の様子について伺う。教員とも状況を共有しながら展覧会に向けて準備を進める。
展覧会の様子
夢の実現 人形劇の公演に向けて
2019年の展示に続き、2020年にも「ART(s)さいほく」主催による展覧会の開催が決まり、金澤さんに出展を依頼。作品出展に加えて人形劇の公演を提案する。初めての公演に向けて進行状況を共有するなど伴走を重ねる。約5カ月の準備期間を経て、展覧会で人形劇「おばけのゴストント」を披露。人形制作だけでなく舞台や舞台装置、ナレーション、音響、照明をすべて一人で制作し、公演当日は同級生と2人で演じ成功を収める。開催後にも定期的に連絡を取り合い、新作の感想を伝えたり、展覧会などの情報提供を行っている。
展覧会のチラシ
人形劇「おばけのゴストント」
人形劇の様子