鑑賞支援を考えるワールド・カフェ
■開催日: 2021 年 11 月 15 日(月)14:00 ~ 17:00
■会場:オンライン
■参加者: 21 名(ブロック内支援センター、県職員、厚生労働省)
■講師
藤原顕太(一般社団法人ベンチ)
一般社団法人ベンチに所属。舞台芸術制作者、社会福祉士、NPO法人舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事、NPO法人Explat副理事長。日本社会事業大学卒業後に舞台芸術業界に入り、宣伝代行や舞台芸術制作者の人材育成、ネットワーキングなど、舞台芸術のマネジメントや環境整備に取り組む。福祉と舞台芸術の活動を始め、「滋賀で人と社会と文化芸術をつなぐプロジェクト“SANPOh”」にて文化芸術による共生社会づくりコーディネーターを務める。現在は埼玉県内にて舞台芸術に携わる。
■内容
鑑賞支援にまつわる2つのテーマについて、ワールド・カフェ※の手法を用いて3グループ(1テーブル4~5人程度)で話し合いました。Zoomのブレイクアウトルーム機能を活用し対話しました。
※カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行い、他のテーブルとメンバーをシャッフルして対話を続けることにより、参加した全員の意見や知識を集めることができる対話手法の一つ。
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<テーマ1>
なぜ鑑賞支援が必要なのか?
テーブル1では、そもそも鑑賞支援は「見たい人が見る」ものであること、支援の前に「見たい」というモチベーションを高めるため、美術館・劇場に対して感じるハードルを下げる働きかけを重視すべき、との意見が出ました。テーブル2でも、ハードルの高さが話題に上がり、また、支援者自らが文化芸術に触れることの大切さが話されました。テーブル3では、鑑賞だけではなく、発表と鑑賞を一体として考えることが大切だとの意見が出ました。作品を見てもらうことで自信がつく人も多く、発表と鑑賞の機会を一体として場をつくることで、近くのステークホルダーを発掘し、ネットワークを生み出す機会になるといいます。
<テーマ2>
鑑賞のニーズがある人とどのように出会うことができるか、何ができるか?
テーブル1では、支援ツール(コミュニケーションボードなど)について、支援者も実際に体験することの大切さが話されました。また、手話通訳などのサービスは、作家の話を聞くことと自身で話すこと、どちらのニーズもあるものの、スキルを要するという意見が出ました。テーブル2では、障害の有無に関わらず鑑賞後に感想を言い合える場は少ないため、表現につながり楽しめる場を増やしていけたらという声がありました。テーブル3からは、文化と福祉が分かれている行政の構造が、出会いの機会を減らしているのではという意見も出ました。また、自身の表現を広げるためにも、よいものを鑑賞することが大切であり、支援員自身も展覧会へ行くのが良いなど、多様な意見が交わされました。
オンラインホワイトボードで画面を共有し、その場で書き込んでいった。
(構成:坂本のどか)