第2回ブロック会議にて、ネットワークでの関わりや学び合いを通して、福祉とアートの両面から人材育成を進めてきた埼玉県障害者アートネットワークの事例を報告しました。
■開催日:2021 年 9 月 17 日(金)14:00 ~ 16:00
■会場:オンライン
■参加者:18 名(ブロック内支援センター、県職員、厚生労働省)
■報告者
中村亮子(埼玉県障害者芸術文化活動支援センター アートセンター集)
■内容
障害者の表現活動を支援している埼玉県内の福祉施設、行政、美術や法律の専門家、また作家や家族、地域の人々によるネットワーク「埼玉県障害者アートネットワーク TAMAP ±○(通称、タマップ)」を、アートセンター集が事務局となり 2016 年より運営。今回はネットワークと人材育成の意義について報告しました。
「福祉施設の支援員が学び合い、想いを育む場」
南関東・甲信障害者アートサポートセンターでは、普及支援事業において人と人をつなぐネットワークをいかした人材育成が重要であると考えています。そこで本年度最初の意見交換会では、アートセンター集より、「埼玉県障害者アートネットワーク TAMAP ±〇(タマッププラマイゼロ)」(以下、タマップ)の事例紹介からスタートしました。
タマップでは、主体的に参加できる場づくりを大切にしており、「だれのために、何のために」という支援の延長にある表現活動の意義を共有し、関わる人の支援力や視座を高めています。また埼玉県障害者芸術文化活動普及 支援事業の一環として行う「埼玉県障害者アート 企画展」の様子と共に、本展開催を通じて福祉施設の職員がアートの視点を学び、作品の魅力や現場の様子を職員同士で語り合うことの大切さ、またそれらを各施設で深めることで展覧会実践が支援のあり方を考えるきっかけにつながっていることを報告しました。
タマップへの参加施設は年々増え、各施設が抱える課題も多様化しています。ネットワークを通じて職員同士が悩みを共有し、語り合うことで学びを深めています。障害のある人と社会をつなげるため、一人ひとりと向き合いながら、タマップはさらに広くつながっていきます。
写真上:タマップ活動の様子、中:作品選考会、下:展覧会の設営作業
アートセンター集HP
https://artcenter-syu.com/
■参加者コメント
・コロナ禍以前は障害福祉分野、芸術文化分野の方が集まる勉強会を開催していました。でも今は相互のやりとりに課題を感じています。
・研修会や展覧会の企画について話をする場を設けていましたが、新規団体の参画が難しく、固定メンバーでの開催になっていることが課題でした。
・芸術活動をやりたくても施設の中で理解が進まないことに葛藤している人もいました。展覧会のつながりの中でさまざまな立場の人と話すと共感が得られ、心強く感じられるようです。
・このようなネットワークに参加すると、同じような悩みや課題、表現活動で起こったよいことを共有できますね。ワイワイできる雰囲気も大切なことだと感じます。